父が肺腺癌の手術で脇腹を縫われている間、ソワソワした母がいてもたってもいられなくなって両肘に穴の空いた父の家用のニットジャケットにパッチを当てて繕っていたらしく、本当はボロくなったから捨てるつもりだったそうなのだが、「父も気に入っていたニットだから捨てると手術に悪い影響が出るのではと思ったら捨てられず私も何か縫わなきゃと思ったのよね」とのことでウケた
そのパッチはさも元々そこにあったかのような完璧な仕上がりで、そのおかげか父の術後の患部もきれいに縫われておりよかったねというお話
あと、父が全身麻酔を受けて意識を失ってICUに入り、その後麻酔が解けた時に「○○さん、わかりますか、○○さん」と呼び掛けられると思ってたら、最初に耳に入ってきたのが米津玄師の感電のサビだったらしく、意識が戻ったと共に\タラタタッタッタタたった一瞬の〜♪/て耳に流れ込んできたの想像すると完全にドラマの名シーンじゃんと思って笑ってしまった
これから感電聞くたびに手術のこと思い出しちゃうじゃんね
手術は3/11に行われたのだが、10年前の3/11には父方の祖父が倒れて緊急搬送されてその後亡くなっていたので、厄年とかその他色々も関連してなんか怖いな不安だなと思ったりはしたけど、とりあえずもう退院して痛みはあるものの普通にしているので無事終わって良かった
なんかそういうの考えるとやっぱりちょっとでも何か足になればいいなとか思って富岡八幡宮と深川不動尊をまわってお参りして健康祈願のお守りを買って贈ったりした
ちょっとでも因果関係を見つけてしまうとなんとなく紐付けしてしまうところあるな
まあでもやっとけばよかったって思うくらいなら自己満で意味ないかもしれないけどやったほうが精神衛生上いいし
手術前に会いに行った時は、母が「これが最後かもしれないんだから写真撮るわよ!」つってオイオイ泣き真似して、父が「遺影にしちゃおうかな」とかいうくらい不謹慎に盛り上がってたわけだけど、実際本当に死んでしまう可能性もなくはなくて、でも万が一そうなってしまってもああダメだったんだな、というくらいで意外とあっさり受け止めてしまうのかも、と思ったりした
現実味がないというのもあるけど、ダメかもしれないね、怖いね心配だね、てしみじみしっとりするより、直前までゲラゲラ笑い飛ばしていた方がなんとなく良いというか
とはいえこの雰囲気は我が家ならではのものなので、配偶者に後から「狂ってるね」と言われて本当ですよね、となるわけですが
でももし私がそうなった時も、わっはっはてな感じで賑やかに終わってくれたらいいな
癌の告知の時もふざけてたし、結局みんな人の話を聞かずに自分の話したいことを勝手に話して終わるし、とにかく真面目な話をまともにできない家族であり血筋なんだなと思いました
このまま弱ることなく、無理に長生きはしなくていいけど、引き続き楽しく生きててくれたらいいな
久々に手をまじまじと見たけど、やっぱりもう年寄りの手になっていた
話し方もなんとなく10年前に亡くなった祖父に似ているように思ってそれを伝えたら、父もちょうど10年経つもんねえと言っていた