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日常のあれこれ

君たちはどう生きるか

ジブリの最新作を前情報ネタバレ感想口コミ一切なしで映画館で初日に観る」という機会はおそらくこれが最初で最後になるだろうと、そういう感じのツイートをたまたま前日に見かけたこともあり、そうかもね、と思ってせっかく休みなので前日夜にオンラインでチケットを買って見に行った。結論、感想としては、「宮崎駿の中身すべてだな」って感じ、これまでのすべてのジブリ作品があって、宮崎駿の考える頭の中のすべてが表現されていて、「俺はこう生きたけどお前らはどうなの?」て言われたような感じだった。学生の時とか、作家の展示を見た時とかに感じる「俺はこう思ってるよ、お前らはどう考えるんだよ」ていう創作活動が生み出す一個人の衝動とか熱量をモロに浴びせてくる感じ、"ナマ"の想いの塊って感じだった。Twitterで「宮崎駿の原液」って表現を見たけどまあ確かにそうかも。たとえば戦争に行く人を見送るのに道で足を止めて一例をする描写に個人的に強い意志を感じたのだけど、そういったあらゆる描写に、宮崎駿の表現すること、表現したいこと、表現してきたこと、考えていること、経験してきたこと、伝えたいこと、あらゆる「すべて」なんだと思った。エンドロールを眺めていて、なんか...すごかったな...とぼんやり物思いにふけっていたら、ふと突然「私は子供を産まないままでいいのか?」と頭に疑問が浮かび、その瞬間に涙腺が崩壊するという事態に陥った。マジでなんなのかわからなかったけど、自分の頭の中にあるあらゆる「どうしてったらいいかわからないこと」が弾けて感情が一瞬でぐちゃぐちゃになった感じがある。ものの数分で落ち着いたけれども。なんか本当になんで生きてるんだろ?て思うし、生きていかなければいけないの本当につらいなって30を超えても思う。いつになったらこの感情と折り合いがつくのだろう。

その後何をするでもなく、公園に日陰になっているベンチでぼーっと座って子供たちがキャーと言って遊ぶ姿を眺めていた。

風立ちぬ」では「宮崎駿も死んでしまうんだな」と思ったけど、「君たちはどう生きるか」では「宮崎駿のすべてがここにあったな」と思った。もうこれで最後なんだろうか?82歳でこの熱量っていったい何なんだマジで。

 

1日経ってTwitterには映画を観た感想や考察があふれ始めだして、それを眺めるたびに自分の感想や思いが上書きされて消えていくのを感じる。あ~そういうことだったんだ、とか、たしかにね~とか、共感含めて自分が映画を見て感じたナマの感想や感情が消えていくのがわかりやすかったので、とりあえず記録に残しておく。こういう経験ってこれまであんまりなかったかもな。見て良かった。万人に勧められるかっていうとわからないけど。

もうひとつ個人的なところでは、最初の後妻の妹さんが触って、つって眞人の手を妊娠している自分のお腹にグイってあてがったところがめちゃくちゃグロテスクだな、と思って、しょっぱなアレにぞっとした。ある時から妊娠している描写や現実妊婦さんに対してもグロテスクだなと思ってしまうことが増えたのだけど、自分が避けていることへのうしろめたさなのかな。妊婦さん特有の美しさを感じると同時に、「妊娠している」という事象への嫌悪感やおぞましさみたいなものをなぜか感じてしまう。不思議。話がずれた。

とにかく、ゼロベースで見ることができて良かったなという話でした。宮崎駿が現役で生きている時代に生きていてよかった。同じことはアンドリューロイドウェバーにも思っています。本当にありがとうございます。

32歳の人生もがんばっていきましょう。おわり。